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“足るを知る”経済でいこう!

タイの大気汚染

最近のタイは大気汚染がひどい!

まずはバンコクですが、私が住んでいるチェンマイも焼き畑のPM2.5が結構すごいんです。

せっかく、バンコクから逃げてきたのに「そりゃないでしょ」て感じです。

最近では、バンコクで基準値の2倍近くの汚染が確認されたといいます。

それを受けてタイ政府ドローンを飛ばして、空中から霧状の水を噴射したり、
トラックの上からホースを使って放水するなどの大気汚染対策が行われているようです。

汚染を取り除こうという計画を立てていますが効果はいかほどなんでしょう。
タイのメディアは政府と地方行政当局に対し、
「この問題に何ら有効な手立てを考えておらず、せいぜい公共の場所に噴霧器を設置することしかしていない。
それも有効な手段かどうか疑わしい」と、厳しく指摘し、批判しているようです。
これくらいじゃどうにもならんでしょうね~。

バンコクの大気汚染は今に始まったことではない。
ずいぶん前から大気汚染はあるんです。もともと渋滞がすごいし、バンコク近郊にはいくつも工場があり噴煙をあげているんでしょう。

昔はここまでひどくはなかったのですが、
私がバンコクから引っ越す寸前のバンナー近郊に住んでいた頃は、
南の方角、バンナー地域やサムットプラカン方面(工場や企業が多い地帯)より噴煙や白い雲のようなものが空を覆って、匂いまでしてきました。

せっかく、近くに大きな公園があってランニングしていましたが、全くの台無しです。
最近のバンコクの渋滞は10年前とは比べられないほどひどく、ストレスがたまっちゃいます。

ただ、東南アジアの発展途上の国々はインドネシアのジャカルタにしても中国、マレーシアにしても大なり小なりでしょうが大気汚染問題はつきものですね。
どの国にも同じことが言えるでしょう。

日本も昔はこうだったんです。
高度成長期時代や、それ以降も粉塵を撒き散らし、川には汚染した水を垂れ流していたんです。
日本経済の血肉をつくるために、必然として出るフンみたいなものですね。
ある意味、仕方がないことだとも言えます。

バンコクは住む街じゃない

はっきりいってタイのバンコクは住むところではないです。

ただ、旅行で遊びに来るには楽しい街ですね。
おいしいものも、レストランもたくさんあるし、マッサージやスパなどのリラクゼーション遊びも充実しているし、夜のお遊び、飲み屋街、バー、ディスコなどエンターテイメントが至れり尽くせりなのがバンコクです。

ただ観光は寺周りばかりですね、自然を楽しむならバンコクはおもしろくないです。
自然を楽しむ、例えばゾウに乗るとか、ハイキングするとかならバンコク以外でしょう。

でもバンコクで長期間住むのはしんどい。
私は九州の田舎育ちで、そう思うのかもしれませんので一概には言えませんが、あの喧騒の都会の真ん中に住むのは疲れます。
人も多いし、車は大渋滞、空気も悪い。

「ここにいたら長生きしないだろうなっ」て常に思っていました。
でも、一人で過ごすには便利でいいかもしれません。
それでも、私一人で住んでいたときも、擦り切れてストレスも溜まってきて、
何度、日本に帰ろうと思ったことかわかりません。

特に子供を育てる場所ではないですね。
といっても、駐在で子供をかかえてこないと仕方がない方もたくさんおられますし、日本人学校もあるし、そんなことは言ってられないのですが。

バンコクは子供にとって環境に悪いし、不便。
そのPM2.5の大気汚染問題もあるし、学校の登下校は車しか使えないし、日本みたいにパッと外に出て自転車で買い物に行ったりできないのです。

日本だったら、学校が終わったら、友達の家に遊びに自転車で行ったり、歩いて行ったりできますが、バンコクでは行けないんですね~。

外は道路交通の整備が悪く、ほとんど歩道なんかない車優先社会ですから。
車をよけながら歩かないといけない国なんです。

簡単に外を歩けないから、非常に制限された中で生活するしかない。
行動範囲が限られます、だから子供もストレスを感じるでしょう。

バンコクで子供を育てるお母さん達は、早く日本に帰りたい思っている方も少なからずいることでしょう。

ただ、最近では日本も住みやすい国とはいえませんね~。

問題は人の多さと渋滞!

バンコクは大都市なので人口も多いんですが(850万人)、8人に一人がバンコクに住んでいるようです。

タイは地方に産業がほとんどない一極集中都市で人が多すぎ。

そして、なんといっても車の多さが目立ちます、そして終始、大渋滞なんです。

2015年2月10日、タイメディアは「ブリティッシュ・モーターオイル社の調査によると、世界で交通渋滞がひどいワースト10が発表されたが、その調査ではバンコクは第8位であり、世界最悪ではなかった」と報じたらしいのですが、どこも“どんぐりの背比べ”なんじゃないでしょうか。

渋滞のワースト10都市は以下の通り

1 ジャカルタ(インドネシア)
2 イスタンブール(トルコ)
3 メキシコシティー(メキシコ)
4 スラバヤ(インドネシア)
5 ペテルスブルグ(ロシア)
6 モスクワ(ロシア)
7 ローマ(イタリア)
8 バンコク(タイ)
9 グアダラジャラ(メキシコ)
10 ブエノスアイレス(アルゼンチン)

ただ、10数年前と比べたら、とてつもなくひどい渋滞です。

道路設計、都市設計のまずさゆえに激しい渋滞が発生してしまうのですが、根本的に車の数が多すぎるようにも思えます。

外国企業の多さ

タイは日本企業も相当多いでしょうが、外国企業の参入がすごいです。
東南アジアではダントツで、日本企業のタイ拠点はなんと3900社もあるようです。

企業としては法人税の免税などで恩恵があって、充実したインフラ 整備などで住みやすいというのがメリットなのでしょう。

これをある程度撤退させれば、車の渋滞も、スモッグもなくなるでしょう。

その方がタイのためにはいいんじゃないでしょうか。

人間の欲は計り知れない

どうして人間はそこまでして環境を破壊して、人体を犠牲にしてまで経済発展を成し遂げたいのでしょうか?

やはり発展途上国というのは、上を目指したいという向上心や熱が高いからなのか。資本主義のシステムだからなのか?とか

ふと、そんな考えが浮かんできました。

それが人間の欲求だからなのでしょうか?裕福になりたいから?
可能性は上がりますが、経済が発展しても個人が裕福なるとは限らない。

要するに体を犠牲にしてまでも、お金を得たいわけです。

でも、体が壊れて早くに死んでしまっては、元も子もない。

それでは幸せではない。

なにか本末転倒のような気がします。

そこそこでいいんじゃないでしょうか。

もともとタイ人は日本人から言うと怠け者的な呼ばわり方をされます。
仕事に生きる!とか、仕事に人生を捧げる!みたいな、日本的発想はあまりない。そこそこ働いて、って感じです。それがタイのスタイル。

どうもタイのスタンスにあっていないような気がします。
なにか、政府と日本を含めた外国企業に振り回されているんじゃないでしょうか。

日本は、自国民が地域で育てた農産物を、自国民があまりにも高くて食べられない国。
ここタイは“豊穣国土”で米も、野菜も、果物も安くて大量に採れて、
輸入に頼らずに、自国の食べ物だけで十分に生きていける国。

タイは輸入に頼らず自給ができる国なんですね。

もうそれで十分じゃないでしょうか。

“セタキット・ポーピアン”『足るを知る』”経済

タイの全国民が尊敬し慕って、亡くなられた時には全国民が涙した、あのカリスマ国王

“タイ国民の父”であるラマ9世プミポン故国王が演説で語られていた言葉を思い出しました。

『経済はそこそこでいいんです、ファラン!(アメリカや諸外国の事)(笑いがおきる!)そんな外国の事なんてほおっておけばいい。
この国に住むみなさんが、食うに困らず、幸せであればいい。 』

みたいな事をテレビでおっしゃられていたのをおぼろげながら覚えています。
(そこまでタイ語が完璧ではないのでおおよそです)

国王自らによって開始された開発事業はタイ全土で2159件にのぼるそうです。そして、その事業も軌道に乗るまでは自身の資金を投じることもあったとか。

本当にタイ国民の中に入って、困っている民衆のために身を投じていかれた、世界でも稀に見る国王だといえるでしょう。

そのプミポン故国王が、かねてから提唱していた経済原理が“セタキット・ポーピアン”『足るを知る』”(英語では、Sufficiency Economy)経済なのです。

足るを知るとは、日本では『少欲知足』という言葉がありますが、それと同じだろうと思います。

要するに“欲張らずに、現状のままで満足する”ということでしょう。

『ほどよく』食することができ、生活することができれば、それで十分であるという考えなんです。

前国王自身もとても質素な暮らしをしていたそうです。
うわさでは、歯磨き粉は必ず搾り取るまで使い切っていたそうです。また、みんなが寝静まった夜に、一人で 昔の古い車を運転されていたとか 。

おそらく世間を見て回って現状を把握されていたんでしょう。

また、別では利益を追い求めすぎる資本主義志向の危険性も指摘されています。

まさに全てはお見通しな感がありますね。

それが、いよいよ現象として出てきたんです。

“もうほどほどにして、あまり背伸びするな”との、国王の言葉が聞こえてきそうです。