公式オンラインショップはこちら ≫

イタリアンレザーはいかにして最高級のレザーになったのか?
半世紀以上も前から変わらず、人気を博す理由はどこにあるの?

ハイブランドを生み出した、イタリアンレザーはいかにして最高級のレザーになったのか?
半世紀以上も前から変わらず、人気を博す理由はどこにあるの?

イタリアンレザーといえば知らない人はいない「最高級レザーの一つ」ですね。

そして、グッチやプラダなど他にも数々の有名ブランドが取り扱うレザーですが、現在ではボッテガ・ヴェネタなどはとても人気がありますね。

このイタリアンレザーを生み出す場所はイタリアのフィレンツェという所にありますが、
イタリアンレザーが世界に最高級の牛革として認知されるようになって50年くらいになるようです。

様々なブランドがこのレザーを取り扱いたいと考え、魅了されてきました。そして誰もがイタリアンレザーの財布やバッグはいいものだと認識しているはずですね。

いったい、このイタリアンレザーが半世紀以上も人気を博する理由はどこにあるのでしょうか。
イタリアのフィレンツェでどうやって作られているのか、またどんな歴史があるのか?
ここではイタリアンレザーの魅力を探っていきます。

“イタリアンレザー”がこれだけ人気を博す理由は!

もうすでにイタリアンレザーの製品、財布やバッグなどを持っている方はご存じでしょうが、イタリアンレザーといって、まず頭に思い浮かぶ表現は、“革の質感”ではないでしょうか。

触った感触が、“しっとりとしていて滑らかで手に吸いつくような感触”。

これがまさにイタリアンレザーの表現にピッタリではないでしょうか。

そして、使い込んでいくうちに色濃く変化し、これぞまさしく“ザ・革”と言わんばかりにいい風合いをかもしだしていく。いわゆる経年変化(エイジング)でこれだけカッコいい風格を出すレザーは“イタリアンレザー”くらいのものでしょう。

これが他のレザーには見られない、イタリアンレザーの真骨頂なのです。

これこそがイタリアンレザーが世界一のレザーとなり、いつまでたっても人気を集める理由なのでしょう。

700年以上も続く、職人たちの伝統と技術は伊達ではありません。

“イタリアンレザー”とは?

“イタリアンレザー”と呼ばれるものは一般的には牛革です。

一般的にイタリアでつくられた、牛革を主体とした革をイタリアンレザーと呼ぶのですが、フィレンツェ州のサンタクローチェ地方を中心に生産された革をそう呼んでいます。

そのフィレンツェのサンタクローチェでつくられる革は昔ながらの独特な製法にこだわって革をなめしていきます。

それが伝統的な革製法「バケッタ製法」です、または、「ベジタブル、タンニンなめし製法」ともいいます。

このフィレンツェの700年来から伝統を継承してきた秘伝の奥義「ベジタブル、タンニンなめし製法」が世界最高級のイタリアンレザーを生み出していきます。

最高級の“イタリアンレザー”を生み出した秘伝の製法「ベジタブル、タンニンなめし」

この「ベジタブルタンニンなめし製法」とは、植物性のタンニン(シブミ)や天然オイルで時間と手間をかけ30以上の工程でゆっくりとなめしていく、昔ながらの製法になります。

植物性のタンニンとは渋み(シブミ)で、これに漬け込むことで腐敗防止になります。
このタンニンによるなめし加工を行うことでカビが繁殖せず、害虫も寄せつけないのです。

このなめし製法の特徴は時間と手間をかけてじっくりとなめしていくことで、しっかり革に浸透させ、革に柔らかく絶妙な艶感や、滑らかさを引き出していくことです。

この「ベジタブルタンニンなめし製法」と真逆にある製法が「クロムなめし製法」ですが、いわゆる化学薬品にて短時間で革をなめし、製作する“現代的なめし製法”です。

これは最短で24時間で仕上がる革もあるそうです。世界中で生産されるほとんど9割の革がこの製法で作られています。

この詳しいお話はまた次回にします。

膨大な手間と時間がかかる伝統製法

30以上の作業工程を踏む「ベジタブルタンニンなめし製法」は非常に手間と時間がかかりますが、中には実に1年以上かかるものもあるそうです。

こうなってくると熟成のワインや、チーズのようになってきますね。

しかし、この「ベジタブルタンニンなめし製法」はあまりにも膨大な手間と時間がかかるため、イタリアのトスカーナでは一時期はこの伝統製法の継承をやめようとしたらしいですね。

採算が合わなかったのでしょう。ですが、現在はまた復活し、継承されているという事です。

これだけ拘りを持って時間をかけても惜しみなく続けていくイタリアの伝統継承に凄みを感じます。

普通に考えて非常に高価な革になるのがよく分かります。

もちろん現在も「ベジタブルタンニンなめし製法」は、今も伝わる「イタリアンレザー」の代名詞的な製法として受け継がれています。

“イタリアンレザー”が生まれた「屋根のない博物館」と呼ばれるフィレンツェの街

フィレンツェと言えば中世にルネサンスの都として栄えた有名な都市ですね。
まさに芸術と文化の中心です、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロが有名ですね。

この地、フィレンツェの山々とティレニア海の間、サンタクローチェ地区がイタリアが誇る伝統的な皮革産業地帯です。

13世紀には皮なめしの工場や研究所などが集中していたそうですが、今から700年も前にこのような皮なめしの技術を持っていたとは恐れ入ります。

美しいオレンジ色の屋根群、中世の大聖堂、様々なゴシック建築は、もうはるか昔のその時代にタイムスリップしたかのようです。

圧倒的な歴史的建造物に、芸術や伝統や格式の高さの他に何か古きものを大切にする精神を感じさせてくれます。

なんといってもここは芸術の街、フィレンツェ!まさに「屋根のない博物館」と呼ばれる所以がよく分かります。

この地だからこそ世界最高のイタリアンレザーが生まれてくるんですね。

ギルド組織が“イタリアンレザー”の産業を促進

12世紀から16世紀にかけてフィレンツェの商業と品質管理のために結成されたギルド(同業者組合)という組織があります。

このギルドという組織集団がイタリアンレザーの皮革産業の発展において、とても重要な役割を果たしていきます。

このギルドでは皮革産業のなめし技術や材料などの機密を維持させてきました。
また、製品の品質・規格・価格などは厳しくギルド内で統制され、品質の維持が図られました。

このギルド組織がイタリアンレザーの皮革産業を世界に羽ばたかせるための原動力となっていったのです。

フィレンツェ、サンタクローチェを拠点とする一大産業

優れた職人技術とギルド組織の管理により、イタリアの皮革産業は発展していきます。
本格的に産地として発展し、1800年代に事業が芽生え始めます。

様々なブランド業界も専属工房を、フィレンツェのサンタクローチェに構えていきますが、1920年代に高級ブランド、グッチが工房をここに開設しています。

また、プラダ、フェラガモ、などの高級ブランドも続々とこの産地へ製造委託していきます。

そして現在では、イタリアは世界の皮革生産の約16%を占め、ヨーロッパで生産される全皮革の70%以上を占めています。
年間売上高はなんと20億を超えているそうです。

“イタリアンレザー”はここフィレンツェ、サンタクローチェから一大産業となり、世界を席巻することになったのです。

“イタリアンレザー”であることの証明証、世界最高水準の品質の証

見たこともある方も多いと思いますが、この手形模様が本物の“イタリアンレザー”であること証明するタグマークになります。

イタリア植物タンニンなめし革協会が発行したタグになります。

イタリア植物タンニンなめし革協会とは、イタリア・トスカーナ地方にて1994年に設立された現在20社以上のタンナーが加盟する非営利団体です。

※フィレンツェとはこのトスカーナ州の州都になります。

加盟しているタンナーは、良質なベジタブルタンニンなめし革を時間を惜しまず伝統的製法で製造し、高品質なイタリアンレザーを世界に向けて提供し続けています。

また常に持続可能な社会を目指し、下記のようなマニフェストを掲げています。

健康と環境を常に配慮した素晴らしいマニュフェストで、びっくりしました。

>>詳しい日本語のマニフェストはこちらから

認定基準には以下の3点を遵守することが求めれています。

・定められたベジタブルタンニン(植物タンニン)なめしの製造工程を遵守する
・植物の抽出成分のみを使ってなめす
・主要工程をトスカーナ州内で行う

このような厳しい基準を満たすことで、はじめて“イタリアンレザー”として認められるわけです。

これぞキングオブレザー“イタリアンレザー”なのです。

今なお世界最高水準の品質を保ち、高級革として君臨しています。

●まとめ

いかがでしょう、意外と“イタリアンレザー”と名前だけは知っていても、その詳しい歴史やこだわりの技術は知らないものですね。

イタリアンレザーはいかにして最高級のレザーになったのか?人気の理由がお分かりいただけたでしょう。

マッドモンキーもイタリアンレザーに魅了されてしまい、とうとうフィレンツェ、サンタクローチェ産の“イタリアンレザー”を導入することに決めました!

もうすぐ登場しますので乞うご期待くださいませ!