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皮革の歴史はなんと20万年前のあの時代まで遡れる!皮と人間が関わってきたその時代とはいつの頃なのか?

皮と人間が密接に関わってきたというのは言うまでもありませんが、ではそれはいつ頃なのか?またどのように関わってきたのかを探っていきます。

皮革の歴史はホモ・サピエンスが誕生した時代にさかのぼる

皮をいつどのように扱っていたかは諸説あるようですが、猿人から現生人類になった我々の祖先であるホモサピエンスが、皮を初めて使っていたようです。

人間は獲物を狩り、それを食べて生きてきましたが、残った皮も使えることに気づきます。

最初はネズミやキツネなどの小動物の皮を使っていたとされますが、それがだんだんと獲物が大きくなるにつれて皮も大きくなり、防寒具の毛皮や住居の屋根として使うことを覚えていったようです。

皮だけではなく、歯や骨なども道具として余すことなく利用するようになり、次第に狩猟が自分たちの生活には欠かせないものになっていくのです。

その時代とは今からなんと20万年前の旧石器時代になります。

ピンときませんが20万年前というと、現在が西暦2000年代ですので、それの100倍その昔という事になります。

要するに、私達と皮は人類が誕生してから、ずーっと関わってきたという事になるんですね。

ネアンデルタール人が使っていた皮革加工の道具を発見

そして、最近の調査では、ホモ・サピエンスよりも古い時代のネアンデルタール人が使っていた皮革加工の道具が発見されました。

それはシカの肋骨を細工したもので、なめらかなへりと丸い両端を持つ道具で、前後に動かして皮をなめし、しなやかさや光沢、耐水性などを与えるものだったと考えられています。

また驚くべきことに、これと同じような道具を現代の皮革加工職人も使っているということなんです。

>>ネアンデルタール人の新たな道具発見、皮革加工に使用 AFP BBニュースより

「皮」がなめされ「革」となる

動物の皮はそのまま放置すると、固くなったり腐敗してしまうため、これらを防ぐために皮をやわらかくしたり、腐敗しないように長期的に使用できるように加工します。

この加工を鞣し(なめし)といい、なめした皮のことを「革」と呼びます。

その大昔、20万年前では恐らくは鞣しの技術はなかったでしょうから、皮から肉をそぎ落としてそのまま使っていた事でしょう。

いやもしかすると、もうすでになめしの方法を知っていたかもしれません。

上のニュースで最近道具が見つかったように、次はそれこそ10万年前から腐っていない皮、ホモサピエンスが使っていた革などが発見されるかもしれませんね。

「獲物をさばいた後、皮を植物液などに浸して、乾かして防腐していたようだ」などと。

そうなると、エジプトで生まれイタリアが育んだ“ベジタブルタンニンなめし製法”は、
はるか大昔の私たち祖先がすでに開発していたことになりますね。

とてもロマンがあります。

>>“ベジタブルタンニンなめし製法”はこちらより

人間と革の切っても切れない関係

人間は狩猟民族であり、家畜の肉も食らいながら生きています。私たちの生活では肉魚は欠かせない食べ物です。だから、大昔から人間は肉を食べた後の皮を上手に利用してきました。

「皮」をなめし「革」にすることで生きる術を手に入れたのです。

やがて生産技術を持ち、幅広く普及していくとそれが商いへと発展していくことになります。そして、現在では世界中でファッションの一部の革製品として一大産業に発展していきます。

今では革は私たちの生活には欠かせない一部となっているのです。

人間は“殺生”な生き物

その昔は生きるために狩りをして、その皮も毛皮として(防寒具として)必需品でしたが、今では生きるためではなく、商用のために動物を飼育し、殺していると言えます。

私もこのような革製品に携わる商売をしていることから、それがどうなのか?と時々考えることがあります。「“殺生”やりすぎで地獄に落ちるかな」。などと。

“殺生”とは、仏教用語で生き物を殺す罪です。

人間は誰しもが、生き物を殺して生きています、特に牛、豚、鳥、魚などはほとんど毎日食べますね。

一秒間に20数頭の家畜が殺されているといいます。豚や牛が屠殺されるユーチューブを見ましたが、それはひどいもんです、せめて最後はもう少し愛情を持って接してあげてほしいものです。

牛は屠殺されるとき涙を流す事があるといいます。ドナドナの歌のように悲しくなりますね。

そんなこと言うと、肉屋さん、ハムやさん、なんかは100%地獄行きですね。
またそれを食べる私達ももちろん、地獄行きです。

「そんなこと考えたらキリがない、生きていけない、くだらない」と思う人もいるかもしれません、しかし、やりすぎで無益な殺生はやめた方がいいと思います。

人間は利益ばかりを追求する時、未来や自然の摂理など考えたくありません。人間というのは一番残酷でわがままな生き物です。

革製品の大量生産のために動物を飼育するなど、やってはいけないことなのかもしれません。

供給過多になり、何でも手に入る世の中になったからこそ、これからは欲を制御していく社会になるべきでしょう。

私共もいつもそのことを頭に置いて製品づくりをしなければいけないと思っています。

そして、動物たちへの感謝を忘れてはならないでしょう。

まとめ

ここでは皮革と人間の歴史を探りました。いかに皮と人間が密接に関わってきたかお分かり頂けたかと思います。

そして無益な殺生も考え直していきましょう。