最近はエコブームで、SDGsとか、CO2削減、地球にやさしい、環境に配慮したものが
人気を高めています。また、それをウリにした商品がいろいろ販売されていますね。
それでは革、レザーにも体に環境にいいエコ革なるものがあるのでしょうか?
答えは、あります。
実は人体や環境によい革というのは少ないのです。
最近では化学薬品で作られる革生産がほとんどなので、人体や環境に良いとは言えません。
ですが、一部昔ながらのやり方で自然由来のもので作られる革が存在します。
それは化学薬品とは正反対の植物でなめされた革になります。
ここでは植物で作られる革とは、どんなものがあるか、またどんな特徴があるかを探っていきます。
エコ革とは栃木レザーとイタリアンレザー
その植物でなめされた自然由来で作られる革とは、有名どころではイタリアンレザーや栃木レザーになります。
この二つの革は昔ながらの伝統製法である植物なめしによって、革生産を行っています。
他にも伝統のあるヨーロッパ諸国にはこの「植物なめし製法」で作られる革があります。
それでは「植物なめし製法」とはどんなものか詳しく見ていきましょう。
昔ながらの「植物なめし製法」
植物の皮や幹、葉や実などを粉砕して皮と共に浸してなめす製法の事を「植物なめし製法」や「ベジタブルタンニンなめし製法」と呼びます。
他には“植物タンニンなめし”とかイタリアで有名な“バケッタ製法”“ピット製法”などとも呼ばれます。
この製法は人類の大昔、紀元前3世紀くらいにこのやり方で皮をなめしていたそうです。
その昔ながらのやり方が、スキルアップして今なお、植物によるなめし生産を行っているのです。
手間暇を惜しまない「植物なめし製法」
この「植物なめし製法」とは、植物のタンニン(渋み)と動物性脂肪の溶け合った液と革を投入し、じっくりとなめす事により革にそのエキスをたっぷりと含ませていく製法です。
じっくりとなめしていくので相当な時間がかかります。仕上がりに1~3か月の期間を要するといいます。
およそ30以上の作業工程がかかるため、この製法は非常に手間がかかってくるんですね。
革によっては、一年もの時間がかかるものもあるそうです。
実際にこの「植物なめし製法」は、皮に薬品を使用しないので、皮自体を痛めずに自然な風合いを革に残すことができます。
時代の流れに逆行する製法
この「植物なめし製法」と正反対の製法が“クロムなめし製法”といいますが、これは化学薬品で皮をなめす方法で、なんと一日で仕上げることもできるといいます。
現在流通しているほとんど(90%)の革製品が“クロムなめし製法”で生産されています。
なぜなら、加工がしやすく安価で短時間で大量に作る事ができ、効率が良くコストダウンにもつながるからです。
ですが、決して人体や環境によい革とは言えません。
ある意味この「植物なめし製法」は手間暇がかかるため、時代に逆行する製法なのかもしれません。
世界最高峰のレザー
イタリアでは昔から、紆余曲折がありながら、昔ながらのこの製法で皮をなめしてきました。
一時期はやめようとした時代もあったそうです。
ですが、「いい物はいい」との信念で伝統を継承しながら、貫いていきます。
それが世界で超一流の最高峰レザー「イタリアンレザー」になっていくんですね。
また日本の栃木レザーも同様に、一時期は経営が破綻の危機に直面したけど持ちこたえ、
今までの革づくりを継承してきたそうです。
それが今では日本最高峰の栃木レザーを生み出していきます。
両者ともに世界最高峰のレザーと言えるでしょう。
環境に厳格なマニュフェスト
そんなイアリアンレザーと栃木レザーですが、しっかりとした方針のもとに生産されています。
それが健康と環境に配慮したマニュフェストです。
自然を破壊しないよう、化学物質を使わずにそして、汚水やゴミを環境に負荷をかけない
ための様々な項目を掲げています。
1.メイド・イン・トスカーナ
2.しっかりと管理された品質
3.メタルフリー
4.なめし革を得るために動物を殺傷することはありません
5.天然の原材料
6.環境認定証
7.社会的責任
8.法規の順守
9.労働倫理
10.循環型経済
このマニュフェスト団体であるイタリア植物タンニンなめし革協会は、今ではイタリア・トスカーナ地方にて、20社を超えます。
栃木レザーも「自然との共存」を目指し、創業当初から「地域との共存」を掲げ、排水処理には薬品は一切使用せず、バクテリアや微生物など自然由来の力を用いた、自然にやさしい循環システムを展開しています。
そういった意味でも、最近では、ナチュラルで繊維が丈夫なタンニン鞣しのこの革は、年々その価値が上がってきています。
環境と持続可能な社会への取り組みのバックボーンが、両者を最高峰レザーへと押し上げる要因となったとも言えるでしょう。
環境や体にも良く、品質も最高
「環境にいいもの」、「エコなもの」というだけで何かホッとする感じがしますね。
薬品を使用しないため体にもやさしく、安心して使えそうです。
この革の風合いの特徴としては、タンニン鞣し特有の手に吸い付くようなしっとり感があり、まさに「ザ・革」を楽しめる。
また、使っていくうちに変化するエイジング(経年変化)がすばらしい。
イアリアンレザーと栃木レザーはまさに、環境や体にも良く、品質も最高なのです。
まとめ
ここでは、環境にいいエコ革とはあるのか?
またどんなレザーなのかについて語ってきました。
いかに魅力的なレザーであるかお分かり頂けたでしょうか。
イアリアンレザーと栃木レザーについてもっと深く知りたいという方はぜひ、以下にてチェックできます。